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タックスヘイブン対策税制の概要 5 (経済活動基準)

更新日:2022年3月1日

 タックスヘイブンにある会社 (外国関係会社) も経済活動基準を全て満たせば会社単位の合算課税にはなりません。


今回は下記の赤い四角の部分の解説です。


特定外国関係会社 (ペーパーカンパニー等) に該当しない外国関係会社は

・税負担割合が20%以上であればタックスヘイブン対策税制は適用外

・税負担割合が20%未満の場合は経済活動基準を全て満たせば受動的所得の合算課税ですが、いずれかを満たさないと会社単位の合算課税となります。


経済活動基準とは

 わかりやすくいうと、実際にオフィスを構えて従業員、会社のマネジメントが現地にいて実際にビジネスを行なっていれば経済活動基準を全て満たすはずです。具体的には以下の4つの基準を全て満たす必要があります。


1. 事業基準

会社の主たる事業が以下の事業に該当しないこと

・株式等または債券の保有

・工業所有権または著作権等の提供

・船舶または航空機の貸付


2. 実体基準

外国関係会社がその本店所在地国 (現地) に、主たる事業を行うために必要と認められる事務所、店舗等を有していること


3. 管理支配基準

外国関係会社がその本店所在地国においてその事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること


4. 所在地国基準または非関連者基準

所在地国基準

本店所在地国において事業活動を行なっていること。

製造業は所在地国基準が適用されます。2017年度の税制改正前は来料加工はこの基準を満たさないためタックスヘイブン対策税制が適用されるケースがありましたが、現在は来料加工は所在地国基準を満たすと考えられます。


非関連者基準

主として非関連者との間で事業を行っていること。主たる事業が卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業または物品賃貸業(航空機の貸付を主たる事業とするものに限る)の場合に適用されます。



まとめ

<会社単位で合算課税>

4つの経済活動基準のいずれかを満たさなかった場合は会社単位で合算課税となります。合算されるのは所得のうち株式等の所有割合分です (正確に言うと適用対象金額に請求権等勘案合算割合を乗じた金額) 。

<受動的所得の合算課税>

全てを満たした場合は受動的所得のみが合算課税されます。受動的所得とは配当、利子、有価証券の貸付の対価、有形固定資産の貸付の対価、使用料、有価証券の譲渡損益等 (注) のことを指します。

(注)

・持株割合が25%以上の法人からの配当等、合算課税の対象から除かれるものもあります。

・少額所得除外基準があり、一定の金額以下の受動的所得(部分適用対象金額)は適用除外となります。


海外法人を設立する際には会社単位の合算課税にならないようによく検討する必要があります。


以下も参考に確認してみて下さい。

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