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タックスヘイブン対策税制の概要 1 (趣旨)

更新日:2022年2月22日

 タックスヘイブン対策税制 (外国子会社合算税制) は英語ではCFC (Controlled Foreign Company) rulesと言います。日本のタックスヘイブン対策税制の概要を見てみましょう。


タックスヘイブン対策税制の趣旨

 日本でビジネスを行なっている会社が、法人税率が日本より安い国に実体のない子会社を設立して、売上を子会社で計上すればグループ全体の税金を下げることが可能になります。

 

簡単な例で見てみましょう。


日本の会社が製品を100で仕入れて200で販売しています。日本の税率 (30%とします)だと税額は30になります。


この会社のオーナーは税金を減らすために、日本よりも税率が安い国 (例えば香港等) に日本の会社の子会社を設立しました。海外子会社のある国の税率は15%です。会社の運営は日本で行いますので、海外子会社はオフィスはありませんし従業員もいません。いわゆるペーパーカンパニーです。


これまでとは商流を変更して、日本親会社から一旦海外子会社に製品を販売して海外子会社から顧客に販売することにしました。その結果、利益の半分が海外子会社に移転しました。グループ全体の税額も30から22.5に減少しました。


オーナーはさらに税金を減らしたいため、日本の会社は閉めて日本の会社のビジネスを全て海外の会社に移しました。会社の運営は日本で行います。


海外の会社のある国の税率は15%ですので、税額は以前と比べて半分になりました。

このように税率の安い国に会社を設立して、その会社を日本の税金を逃れるために利用することを防止するためにタックスヘイブン対策税制があります。ペーパーカンパニーであったり、現地に実体がない会社はタックスヘイブン対策税制が適用されて、その株主である日本法人や日本居住者は海外法人の利益について日本で課税されます。


次回はタックスヘイブン対策税制がどのような場合に適用されるのかを見てみます。

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