日本で監査が義務づけられているのは上場企業等の一部の会社ですが、香港では全ての会社が監査を受ける必要があります。香港法人の決算、監査、税務申告のスケジュールはどのようになっているのでしょうか。
決算は下記のような流れになります。
期末後、決算書を作成
監査人が決算書を監査
監査報告書と一緒に税務申告書を税務局に提出
監査を始めてから監査報告書ができるまで2ヶ月程度かかります。期末前には監査人とスケジュールを確認しておくことが重要です。スケジュールの調整なしに決算書を監査人に渡して、すぐに監査を始めてくれと依頼しても監査人のスケジュールはすでに埋まっており、すぐには監査を始められないかもしれません。
会社によって異なると思いますが監査スケジュールは下記について監査人と調整しておきます。
a. 期末棚卸日
b. 決算書完成予定日
c. 往査日
d. ドラフト監査報告書の発行日
e. 製本版監査報告書の完成日
税務申告期日は?
税務申告期日は、会社の決算日によって異なります。税務申告期日は下記のようになっていますが、年によって多少変わりますので毎年確認してください。
税務申告期日は4月30日ですが、延長申請することによって表のようになります。Nコードは原則、延長はありません。延長申請は税務代理人が行います。
Mコードで課税所得がない場合というのは単年で課税所得がない場合を指します。
表を見てもわかる通り、日本よりはかなり時間に余裕があります。
例えば、12月末が期末日の場合は8月15日が税務申告期日ですので、遅くとも7月末までに監査を完了させておきたいところです。監査を始めてから監査報告書ができるまでに2ヶ月かかるとすると5月末には監査を始める必要があります。
税務申告書は発行されない場合もある。
税務申告書は英語でProfit Tax Returnです。Tax Return、PTRと言うことが多いです。毎年4月初旬に発行されます。届いたら税務代理人に渡してください。
前年度に課税所得がなかった場合は、税務申告書は発行されないことがあります。
税務申告書が発行されておらず、課税所得もない場合は税務申告書を提出する必要はありません。ただし、将来課税所得が発生した場合に過去の税務申告書がまとめて発行されることになりますので、税務申告書が発行されなくても監査は毎年やっておくことが大切です。
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